花の香料は、咲いている状態から採取できるものは限られています。

例え採取できたとしても、その香料からは咲いている状態の花の香りがしないのです。
花の香りは、一つ一つの香りの成分が空中に散らばりゆらぎながら、その花のデザインを空中で作るのです。

作り手は浮遊した状態の香料の成分を、耳をすまし、目を閉じ、嗅覚を集中させて探り当てます。
そうやって見つけた幾つかの香りの成分の調合を、繰り返し試行錯誤していくことで作り上げるという、いわば職人の仕事なのです。

処方箋を完成したとき、自然の花の醸し出す香りの世界に驚き感動を覚えます。香水の処方箋とは全く異なるテクニックで香りの調和が存在し、誰でも良い匂いと感じる世界が展開されていたのです。

自然は常に変化し、花の香りにも影響します。
この世の無常の世界を反映しているのも花の香りたちなのです。

「咲いているそのままで表現したい」という作り手の思いから生まれたこれらの自然の花の香りたち。

やさしく、季節を織り込んだ、香りという言語による自然との対話、衣服の揺れる部分に纏って花の匂いに包まれてください。